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【書評&感想】「夢をかなえるゾウ3」を読んだら、胸が痛くなった話

シリーズ3作目の本作。

前作までがためになる内容で、ストーリーも面白かったので手に取ってみました。

期待した通り、今作も満足できる内容だったため、紹介します。

夢をかなえるゾウ3はどんな本?

簡単にいうと、人生で成功するための方法を教えてくれる本です。このテーマは、シリーズ通して一貫しています。

ストーリー自体も前作までと大差ありません。人生に悩む主人公がインドの神ガネーシャと出会い、出される課題をクリアしながら、夢を叶えるために頑張る話です。いつも通りですね。

ただ、今作の主人公は女性というのが、前作までとは異なるところです。

かつてないほど共感できる主人公

最初、主人公が女性だとわかって、正直「微妙かも」と思っていました。性別も違えば悩みも違うわけで、シンパシーを感じられないと思ったんですね。

でも読み終わって感じたのは、いままでのシリーズで最も共感できた主人公だったということ。

「夢をかなえるゾウ」に出てくるぐらいだから、今作の主人公も当然だめ人間なんですが、なんというか、どこかで見たようなだめさなんですよ。

怠惰でネガティブで、しかし世の女性キャラにありがちな、だめ人間のくせに容姿レベルだけめちゃくちゃ高いとかそういうことも一切なく、圧倒的にそこらへんにいそうな凡人なんです。そこが生々しくてよかったのかなと思います。

それにこの主人公、欲求に素直なところもある意味で好感が持てました。

たとえば、趣味がパワーストーン集めです。そして、だめな自分を変えようと占い師のもとに行き、騙されて金を巻き上げられたりします。

楽して手軽に人生の一発逆転を狙いたいという欲求に忠実すぎて、行動すればするほど事態が悪化していくタイプというわけです。

でもこういうタイプ、個人的に好みです。もがけばもがくほど破滅に向かっていくだめ人間って、人としてすごく魅力的だと思うんです。同じような感性の方がいましたら、感情移入できること間違いなしです。

心に刺さるガネーシャの教え3つ

上記のような主人公がガネーシャと出会い、夢に向かって努力することになります。

ここからは印象に残ったガネーシャの言葉をいくつかピックアップして紹介します。

人はみな、2つの人生を持っている

何事も続かない、頑張れない主人公に向けて、ガネーシャはいいます。

「自分、人間は誰もが『二つの人生』を持ってるちゅう話知ってるか?」

二つの人生とは、努力のできる人生と、そうでない人生のこと。誰もがこの二つの異なる人生を最初から持っているんだと、ガネーシャはいうのですね。

でも、世の中そんなに努力ができる人ばかりではありません。いったいなぜでしょう。

ガネーシャいわく、その理由は、頑張った先にある楽しさを知らないせいだというんです。

「人間は、一度でも自分の限界を超えて頑張れば、成長する」

「成長すると、頑張るのが楽しくなる。楽しくなるともっと頑張れる。すると、ますます成長する」

つまり一度でも頑張れるかどうかが、自分の中に眠る二つの人生のうち、どちらに進むかを決める分かれ道だということです。

怠け癖のある僕のような人間には、胸が痛くなる言葉でした。

成功するために大切なのは、小さな勇気

「たとえば『資格を取りたい』て言うてる人がおって、でもそいつは全然、資格試験受けへんねん。そんで、そいつに『何で試験受けへんの?』て聞くとな、『もっとこの分野のことを調べてからにする』とか『今の仕事を一段落させてからにする』て言うねんな。いや、確かにその分野のこと調べるんは大事やし、いきなり仕事を放り出して勉強するんも間違うてる。でもな、もし本音では、ただ資格試験に落ちるのが怖いだけやのに、その怖さから逃げるために『筋の通った話』を作ってたとしたら、それ一番危ないことやで」

上の台詞は、嫌なことから逃げるための口実をつくる主人公に、ガネーシャが放った言葉です。かなり心にぐさぐさ来ます。

僕は以前、けっこう頑張って将棋の勉強をしていました。

でもあるとき、対戦をするのが怖くなってしまったことがあるんです。

その原因は、ガネーシャのいうように、負けることが怖かったからです。

「こんなに勉強しているのにボロ負けしたら、自分に才能がないことが証明されてしまう」という気持ちから、挑戦できなくなっていたんです。

思い返すと、かなり病んでいたなと思います。対戦を避けたことで守れたのは、無意味なプライドだけ。その間、上達の機会を失っていたことに、後になってから気づきました。

成功するために大切なのは、次のことだとガネーシャはいいます。

「生きるか死ぬかを決断するような大きな勇気やなくてええ。普通の人が不安で避けてまうところを前に進む、小さな勇気が大事なんやで」

行動すれば何らかの結果がついてきます。しかし行動しなければ、現状維持です。

この現状維持っていうのがまたやっかいなんです。維持してるんだから±0に思えるけど、実はそうじゃない。時間だけが無意味に過ぎていくという点で、実はマイナスなんですよ。

逃げ続けるのは損失でしかないということを、久しぶりに思い出した瞬間でした。

努力は無駄にはならない

何かを頑張ろうとするときに、最も不安なこと。それは「もし自分の努力がまったく報われず、無駄になったらどうしよう」というものではないでしょうか。

上記の問いに対して、ガネーシャは次のように回答しています。

「みんな、『夢』ちゅう山の頂上に向かう道は一本や思てる。でも、ほんまはちゃうねん。それ以外にも、山頂に至る道はたくさんあんねん。一つの道を行ってみて違うて分かったら、他の道が見えてくる。それを繰り返しながら登って行けば、最後は必ず山頂にたどりつけるんやで」

さらにこちら。

「そんで、山頂に立ったとき初めて分かんねん。『自分が来るべき道はこれだったんだな』て。『無駄な出来事なんて一つもなかった。この場所に来るために、全部必要なことだったんだな』てな」

この台詞を見たとき、スティーブジョブズの、あの有名なスピーチを思い出しました。

予期せぬタイミングで、過去の経験が生きることがある。点と点が繋がって、線になる瞬間が来る。確かそういう話だったと思います。

努力が成果につながらなかったとしても、頑張った経験は無駄にはならない。このことを知っているかどうかで、一歩を踏み出すハードルの高さがだいぶ変わりますよね。これから頑張ろうとしている人たちを勇気づける、素晴らしい教えです。

詳細は省きますが、本作の主人公も、ガネーシャとともに努力をした経験によって、ものの見え方が変わったことに気づきます。服や部屋など、自分を取りまく環境はなにひとつ変わっていないのに、自分の内面が変わっていたことに気づくのです。

ここは個人的にけっこうな感動的シーンなので、ぜひ読んでみてほしいです。

自分の人生を、人任せにしてはならない

「夢をかなえるゾウ3」を通して学んだことといえば、これでしょうか。

誰かに期待していては、現状はずっと変わらないまま。パワーストーンを集めても、占い師に頼っても、いつまで経っても悩みが解決することはありません。

むしろ心の弱さにつけ込まれて、本作の主人公のように24万円もする無価値な像を買わされてしまうことでしょう。

勇気を出して、自分自身が行動する。結局なにかをしようと思ったら、これに尽きるんですね。

人生に不満足なら、自分でなんとかするしかない。自分のことを一番心配できるのは、やっぱり自分なんです。

だから行動、多めで頑張っていきましょう。

総評

タイトル 夢をかなえるゾウ3
おすすめ度
雰囲気 ゆるい
読みやすさ 易しい
難易度 万人向け

ここまでのシリーズで、個人的には一番好みでした。

主人公がよかったのもありますが、ガネーシャの教えの方も、自分の体験と照らし合わせて思わずうなずいてしまう内容が多かったです。

誰にでも読みやすい平易な文体なので、子供から大人まで楽しめるかと思います。

ちなみに僕は昼休みに職場で読んでたのですが、ぶっちゃけ最後のほうは涙を流しながら読んでました。笑いあり、教訓あり、涙もありです。

こんな方におすすめ

  • 人生を変えたいと思ってる人
  • 努力を続ける方法を知りたい人
  • 普段あまり注目されることのない、女性のだめ人間に興味がある人

-書籍
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